使っててはいけないシャチハタ?その理由とは?

在宅ワークやリモートワークが普及している現代において、印鑑の使用もデジタル化が進み、ペーパーレス化が徐々に進展しています。それでもなお、印鑑を押すシーンは多く、手軽に印鑑を捺印できるシャチハタを利用している方も少なくないでしょう。

この記事では、シャチハタについての情報を詳細にお届けいたします。
認め印とシャチハタの違い、様々なシャチハタの種類について、さらにはそもそもシャチハタとは何かについても詳しく解説していきます。
この内容を参考にして、シャチハタを購入する際の決断に役立ててください。

シャチハタとは?

では、シャチハタとは一体どのようなものなのでしょうか。一般的に「シャチハタ」という言葉を耳にすると、朱肉を使わずに簡単に捺印できる印鑑というイメージが強く浮かぶと思います。しかし実は、シャチハタという名前は特定のメーカー名であり、製品名ではないことをご存知でしたか?

皆さんが普段「シャチハタ」と称している印鑑の正式名称は、実際には【X(エックス)スタンパー】です。この名称で、朱肉を必要としない印鑑全般が販売されています。

ちなみに、シャチハタ株式会社の正式名称はシヤチハタ株式会社(「ヤ」は大文字に注意)があり、同社が販売している9mmのネーム印【ネーム9】は、多くの人々にとって非常に馴染み深い製品です。2012年には、このネーム9が1億5000万本の出荷を達成したことでも注目を集めました。

朱肉を必要としない印鑑全般が「シャチハタ」と呼ばれ、シヤチハタ株式会社以外から販売されている製品も同様に扱われることが多いです。一般的に「シャチハタ」として知られている印鑑は、大量生産されており、本人の意思を確認する契約には適していないことに留意する必要があります。

ここでは、シャチハタの種類や印鑑との違いについて詳しくお伝えしていきます。

シャチハタの種類、印鑑との違い

まず初めに、前述したように、シヤチハタ株式会社の代表的な製品であるインク浸透印、Xスタンパーの【ネーム9】をご紹介します。多くの方が知っているシャチハタの代表格は、このネーム9ではないでしょうか。

次にご紹介するのは、ネームペン+パーカーです。これは、英国王室御用達であり、アメリカ政府が勲章授与の際にも使用されている伝統的なブランド【PARKER パーカー】と、日本のビジネス界を支えてきたインク浸透印の最大手であるシヤチハタ株式会社との人気コラボレーションアイテムです。

さらに、店舗や企業でよく使用される【住所印】も、こちらは浸透印でXスタンパーの一種です。店舗では領収書や明細書に、また個人では学校の書類や役所、病院など、さまざまな場面で役立つ製品となっています。

また、コンビニや薬局、会社での受領印として頻繁に見かける【日付印】も広く活用されており、いつ誰が何をしたのかが一目で分かるため、ビジネスシーンでも非常に重宝されています。

シヤチハタ製のシャチハタは、ゴムの耐用年数が約7〜10年で、インクは補充なしに1万回の捺印が可能です。さらに補充を行うことで、なんと10万回も捺印できる優れた製品です。最近では百円均一でも見かけることがありますが、やはりシヤチハタの製品と比較すると、インクがすぐに薄くなり、使用できなくなることが多いのです。

特にネーム印は社会人に限らず、頻繁に使用されるため、長期間使用できるネーム印を1本持っておくと非常に便利です。シャチハタは手軽に捺印できる一方で、公的な書類などにはその効力を発揮しない点については注意が必要です。この件については、次に詳しくお伝えします。

シャチハタで出来ること、出来ないこと

シャチハタはゴムの印面にインクが浸透しているため(浸透印)、朱肉不要で簡単に認印として利用することが可能です。荷物の受け取り印やスタンプカードなど、さまざまなシーンで活用されています。

しかし、その利便性と大量生産されている特性から、【法的に効力のある契約やお互いの利害が絡む契約】には使用できません。

具体的には、国が定めた実印証明書が必要な契約や、保険契約、住宅ローン、自動車ローン、銀行ローン、遺産相続、出生届、婚姻届、離婚届、さらには会社設立書類や公正証書の作成などが該当します。

大量生産品であるため、誰でもなりすましが可能になり、同じ印面が多数存在することで、ゴムの印面が強く押されることや劣化して変形してしまう可能性もあります。そのため、契約の見直し時には別の印鑑と見なされ、契約更新ができなくなる危険性も伴うのです。

また、インク自体も時間が経つにつれて薄くなり、印影がはっきりと見えなくなることも、その理由の一つです。ここで朱肉とインクの違いについて簡単にご紹介します。

朱肉は、朱色の顔料に松脂、木蝋、ひまし油などを混ぜて作られ、近年では速乾性の朱肉も登場しており、原料には様々なものが使用されています。水に浸しても溶けにくく、にじみにくいことから、長期保存に適しています。

対照的に、インクは一般的に朱肉よりも速乾性に優れています。紫外線には弱い傾向がありますが、シヤチハタ株式会社のXスタンパーは染料インクから顔料インクに変更されたため、色褪せしにくくなっています。上質な紙の上で、直射日光が当たらない状態であれば、20年間も印影を保持すると言われています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。シャチハタはインクが浸透しているため、朱肉を使わずに手軽に捺印できる便利なアイテムですが、公的な書類やローン書類、契約には使用できない点には注意が必要です。認印や実印の代替にはならないため、購入する際にはその使用目的をしっかりと確認することが重要です。非常に便利なシャチハタですが、朱肉を使う印鑑とは異なる特性を持っており、ぜひ1本は持っておきたいものですね。今回は、シャチハタに関する情報をお伝えしました。

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