日々の健康管理において、体温計は非常に重要な役割を担っています。しかし、実際に購入しようと店舗に行くと、さまざまな種類の体温計が並んでいるため、どれを選べばよいか迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで本記事では、一般的に家庭で使用される体温計の種類ごとの特性や、注意すべき体温計について詳細に解説していきます。
この記事を参考に、あなたにとって最も適した体温計を見つけていただければ幸いです。
検知方法によって分類される体温計の種類
家庭で使用される体温計は、熱を検知する方法によって主に「電子体温計」と「水銀体温計」の2種類に分類されます。
水銀体温計
この体温計は、金属水銀が温度の変化に応じて膨張する特性を利用しており、ガラス管内に封入された水銀が温まることでその膨張幅を目盛りで読み取ることで体温を測定します。
電子体温計が広く普及する以前は、多くの家庭で使用されていましたが、破損時の危険性や水銀が環境に及ぼす影響から、現在ではその使用が減少しています。
廃棄する際には、廃棄物処理法に則った適切な処理が求められます。
現在でも使用は可能ですが、水俣条約や水銀汚水防止法により新たな製造や輸出入が禁止されており、日本を含む多くの国では新規の水銀体温計の製造や販売が許可されていません。
電子体温計
電子体温計はサーミスタ式とも呼ばれ、このサーミスタという抵抗体の特性を利用して体温を測定し、その結果をデジタル表示します。
水銀体温計に比べて使いやすく、非常に短時間で測定ができるため、現在日本で最も広く使われているタイプとなっています。
また、便利な機能が豊富に搭載されており、
・体温の変化を記録できるメモリー機能
・暗い場所でも測定値を確認できるバックライト機能
・水洗いができる防水機能により衛生面でも安心
・電池の残量を表示する機能で、突然の電池切れを未然に防ぐことが可能
・測定したデータをもとにグラフ化できるスマホアプリとの連携機能
など、多彩な機能を備えた製品が多く存在しています。
測定部位や検温方法で分類される体温計の種類
体温計は、測定する部位や検温の方法に応じても分類することが可能です。
電子体温計は、さらに実測式体温計と予測式体温計に分かれ、加えて婦人用体温計、耳式体温計、非接触体温計といった種類も存在します。
実測式体温計
このタイプの体温計は、測定部位の温度がこれ以上上昇しないところまでセンサーが温度を測定し、その結果を表示します。
正確な温度を測るためには、メーカーによって異なりますが、脇で約10分、口の中で約5分程度の測定時間が必要です。
予測式体温計
測定を開始してから、測定部位の体温上昇を感知し、過去の体温上昇データをもとに数分後の体温を予測して表示する仕組みです。
測定時間を短縮できるため便利ですが、あくまで予測値であるため、医師の指示で正確な体温が必要な場合は実測式をおすすめします。
なお、予測式体温計でも、予測測定後にそのまま測定を続けることで実測検温が可能なものもあります。
婦人用体温計
この体温計は、女性の体のリズムを把握し、健康管理や生理の予測などに役立てることができます。そのため、比較的安定しているとされる口の中での測定が行われます。
実測式や予測式の体温計とは異なり、小数点第2位まで表示できる点が特徴です。
測定結果を自動で記録する機能やアプリと連携する機能など、多機能な点が魅力的です。
耳式体温計
このタイプは、赤外線センサーを使用して耳の奥にある鼓膜の温度を測定し、その結果を表示します。
耳の中がきれいでないと、体温計の先端が奥まで届かず、測定結果にばらつきが生じる可能性があるため、注意が必要です。
最短1秒で測定できるため、小さなお子様がいる家庭には非常に便利です。
非接触体温計
この体温計は肌に触れず、赤外線センサーを使って額やこめかみの温度を測定します。
ただし、皮膚表面の温度を測定するため、周囲の気温の変化などに影響されやすい点に留意が必要です。
おすすめの体温計メーカー
ここでは、体温計を製造・販売しているおすすめのメーカーについてご紹介いたします。
オムロン
オムロンは京都府に本社を置く大手電機メーカーで、体温計だけでなく体重計や血圧計、電動歯ブラシなど、幅広いヘルスケア商品を取り扱っています。
電子体温計から非接触型体温計まで、さまざまな種類の体温計を展開しています。
テルモ
テルモは東京都に本社を持つ大手医療機器メーカーで、体温計や血圧計など、一般家庭で使用する製品から医療現場で使われる精密機器まで、多くの医療機器を扱っています。
平均20秒で検温できる予測式体温計など、検温時間が短い製品が充実しており、婦人用体温計の性能も高く、1年分のデータを保存できるモデルもあります。
シチズン
腕時計で有名なシチズンですが、そのグループ会社では体温計を含むヘルスケア関連商品を取り扱っています。
シンプルで使いやすいモデルが多く、電子体温計だけでなく耳式体温計や婦人用体温計も豊富にラインナップされています。
タニタ
タニタといえば体組成計を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、体脂肪計や血圧計など、様々な計測機器を取り扱っています。
ラインナップはそれほど多くありませんが、電子体温計や非接触体温計も販売されており、特に画面や計測ボタンが大きめに設計されているため、誰でも直感的に操作しやすい作りになっています。
購入を避けるべき体温計とは？
結論から申し上げますと、特に購入を避けるべき体温計は存在しません。
ただし、使用する目的に応じて体温計の選択を考慮する必要があります。
例えば、複数人が利用する学校や職場では、1人1人に十分な時間をかけることが難しいため、数秒で測定できる非接触体温計が推奨されます。
また、赤ちゃんの体温を測る際は、じっと待たせるのが難しいため、予測式体温計や耳式体温計を使用することが良いでしょう。
それぞれの体温計には長所と短所がありますので、それらの特徴を理解し、適切に使い分けることが非常に重要です。
まとめ
家庭には1つは必ずあるであろう体温計ですが、実際にはこれほど多くの種類が存在することをご存知でしたか？
体温計は多くのネットショップで取り扱われているほか、ドラッグストアやコンビニ、家電量販店でも専用の売り場が設けられていることが多いです。
興味がある方は、ぜひ実際に店舗を訪れて手に取ってみることをおすすめします。
最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。
