投資してはいけない投資信託とは?


給料の昇給が見込めず、退職金も期待できない中、さらには老後の生活に対する不安が増していくことから、私たちが日常生活を送る上でお金に関連する悩みは常に重要な課題の一つであると実感しています。

昔のように「企業に終身雇用で長年勤め上げ、退職金で住宅ローンを完済し、年金を受け取って穏やかに老後を楽しむ」という理想的なライフスタイルは、現代では非常に難しい状況になっています。そうした背景から、これらの問題を解決するために、単に貯金をするだけでなく、投資や資産運用(資産形成)を考える人たちが増えてきているのではないでしょうか。

そこで、資産運用の手段として特に長期投資を行う際に注意が必要な「投資信託」について詳しく見ていきたいと思います。

投資信託とは

投資信託とは、私たち一般投資家から資金を集め、資産運用の専門家であるファンドマネージャーがその資金を運用する仕組みです。ファンドマネージャーは、債券や株式、不動産などに投資を行い、その運用によって得た利益を私たち投資家に還元します。このプロセスは委託契約のような形で進められ、投資家はその利益を受け取ることができます。

資産形成においては、特に投資を始めたばかりの初心者にとって使いやすい手段であり、商品選びさえ間違わなければ非常に良好な運用商品となる期待が持てます。

ここでは、特に購入を避けるべき投資信託について深堀りしていきたいと考えています。

毎月分配型の投資信託

毎月分配型の投資信託は、その名の通り、ファンドが運用した収益を毎月投資家に還元する仕組みを持っています。

しかし、ファンドにとっては常に収益を還元し続ける必要があるため、その結果として純資産額を増やすことが難しくなると言えるでしょう。

そのため、投資家は毎月分配金を受け取ることができますが、実際に投資信託を売却した際に譲渡益(売買益)を得られる期待はあまり高くないのが現実です。

さらに、場合によっては分配金を支払うために元本を削減することもあります(これを特別分配金と呼びます)。その結果、最終的には譲渡損を被るリスクもあるのです。

純資産額が増えない場合、以下のような問題が生じることがあります。

・純資産額の減少はそのまま基準価額の減少につながり、譲渡益が減少したり、譲渡損が発生することがある

・投資資金が減少することで、長期的な収益力が低下しやすくなる

このように、長期投資を考える人にとって、毎月分配型の投資信託は期待通りの運用結果を得ることが難しい商品であると言えるでしょう。

一方で、年金受給世帯など、毎月の分配金を必要とする方にとっては、それなりに魅力的な商品かもしれません。しかし、分配金が特別分配金の場合、本来の目的から逸脱してしまいます。

テーマ型の投資信託

テーマ型の投資信託は、AIやロボット、eスポーツなど、特定の分野に特化して投資を行う商品です。

これらの業界は今後成長する可能性を秘めており、多くの投資家が魅力を感じることでしょう。

しかし、テーマ型の投資信託は流行の影響を受けやすいというリスクも存在します。

人類の進化の速度は驚異的であり、わずか10年前にはスマートフォンを持つ人が少数派でした。また、インターネットを通じてPCやタブレットを用いて仕事や会議、研修を行うことを想像するのは、今では考えられないほど少数の人々だったでしょう。

今後も、私たちが想像できないほど便利な社会が訪れる可能性があると考えられます。

このような「想像できないほど」が、テーマ型の投資信託を避けるべき理由の一つです。

つまり、現時点で投資先として魅力的だとされている分野でも、将来的にはそれを上回る新たな有望な投資先が現れるかもしれず、現在の有望な投資先が衰退する可能性も十分に考えられます。

したがって、テーマ型のように特定の業界に特化して投資を行うことは非常にリスクが高い選択肢であると言えるでしょう。(もちろん、大成功を収めることもあり得ますが…。)

まとめ

以上のように、資産形成において購入を避けるべき投資信託について解説してきました。

投資信託を選択肢として考えること自体は、投資初心者にとって非常に良い判断であると言えます。

しかし、投資信託の運用結果はほぼすべて、選ぶ商品(ファンド)によって決まるため、選択を誤ってしまうと全てが無駄になってしまうのです。

逆に言えば、適切な商品選びさえできれば、長期的に運用を続けることで良好な運用結果を得ることが確実に可能です。

世界が資本主義経済のもとに存在する限り、世界経済は成長を続け、株価も上昇し続けるでしょう。

その経済成長や株価の上昇から恩恵を受けることができるファンド、特に全世界に投資するインデックスファンドなどを長期で保有(長期投資)することが重要です。

この「長期で保有」というシンプルな行為が、実際には非常に難しいのです。

短期的な利益を追求するあまり、譲渡損を出してしまったり、貯金や生活資金を全て投資に回してしまって、リーマンショックやコロナショックといった一時的な暴落に苦しむ結果、投資を諦めてしまう人が多く存在します。

リーマンショックやコロナショックによって一時的に株価は暴落しましたが、現在ではその水準を超えて推移しています。

つまり、長期的に保有していれば、一時的に含み損が発生していたとしても、今では利益を享受できているのです。

したがって、長期で保有することができるファンドを選び、それを持ち続ける(または買い続ける)ことが、最も基本的な資産形成の方法であり、私も強くお勧めするアプローチです。

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