
社内でよく耳にする「出世レース」という言葉、
皆さんも一度は聞いたことがあるでしょう。
意外な人事の裏には、実際にはさまざまな事情が
隠れていることも多いのです。この「出世」というテーマについて、
少し深く考えてみることにしましょう。
出世できない、つらい…①出世するパターンを考察してみよう

まず、業務の観点からどのように出世が進むのかを考えてみましょう。
さまざまなパターンが見受けられますが、
ここでは比較的代表的なケースを見ていきましょう。
・パターンA:卓越した実力を持ち、
人望も厚いことから、周囲からの推薦を受けて出世する人
・パターンB:出世欲が非常に強いが、実力が伴わず
上司に媚びることに全力を尽くす人
・パターンC:直属の上司や経営者の親が退職し、
無条件でエスカレーター式に昇進する人。
これらのパターンが一般的な出世の形態だと考えられます。
まず、パターンAについては、非常に正当な方法での出世であり、
誰からも異議を唱えられることはないでしょう。
この場合、嫉妬や妬みもほとんどなく、
「お前に任せたぞ!」とエールを送りたくなるものですね。
しかし、ここからが重要なポイントです。
パターンBに関しては、実力が伴わないにもかかわらず
出世を果たしてしまうため、将来的には苦労することになるでしょう。
パターンCの場合も、本人が思考する余裕がなく
物事が進んでしまうため、非常に危険な賭けに近いと考えられます。
もちろん、他にも大小さまざまな理由から、
劇的な出世パターンが存在するかもしれませんが、
このようなパターンについて考えてみることが重要です。
出世できない、つらい…②出世できない人はどこで差をつけられるのか?

「あいつは同期だけど、もう先を越されて課長になっているよ…」
なんてセリフはドラマの中でも頻繁に耳にしますし、実際の世界でもよく耳にする話です。
先ほど述べたパターンを考えると、
BおよびCは、職責に対する能力が不足しているパターンですね。
そのため、Bはもともと仕事で自分をアピールできないがゆえに、
残念ながら、上司への媚びが主な仕事になってしまっています。
パターンAと比べると、非常に明確な違いがあります。
性格【素直で成長意欲が強く、ポジティブで聞き上手】
考え方【具体的な目標を持ち、失敗を経験として捉え、チームワークを重視する】
このように思考回路で業務に取り組むと、
自然に周囲にもポジティブな影響が及び、良い循環を生み出します。
そのため、出世できない人は自ずと
その逆の思考回路で物事を考える傾向が見られます。
自己中心的で、日常的に「無理」「嫌だ」といった言葉を口にする人が多く、
失敗を他人のせいにする傾向があります。
そんな人を出世させ、部下を持たせたいと思うでしょうか?普通に考えて無理ですよね。
したがって、急がば回れという言葉にもあるように、遠回りが近道のように、
地道に努力し、信頼と実績を築くことが
最も重要なのです。
出世できない、つらい…③出世する・しないのどちらがつらい?

このテーマについては、ある意味で永遠に語られる内容だと言えるでしょう。
出世した人は「精神的におかしくなりそう」や
「サービス残業が急に増えた」といった声も耳にします。
一方で出世から縁遠い人は「権限があって羨ましい」や
「後輩に抜かれて恥ずかしい」といった意見も見受けられます。
どちらも非常に極端な意見に聞こえるかもしれません。
シンプルに要約すると、
「出世すると精神的に辛くなる」
「出世せずにずっと現場にいると体力的に辛い」
この二つの極端な状況が存在していると言えるでしょう。
しかし不思議なことに、例外もあるものの、
途中で辞めてしまう人は、出世した人の方が
多いのではないかと感じます。
出世して一瞬喜んだとしても、それは一時的なもので、
その後は安全や品質、納期、計画などに責任を負わなければならなくなります。
これをすべてやっていくのは、実際には非常に厳しい仕事です。
まず、安全を守ること(労災を防ぐこと)や、
品質と納期を維持すること(クレーム処理を行うこと)が求められます。
逆に、こうしたプレッシャーに直面することを考えると、
こういった理由で辞職する人も多いのではないかと思います。
結局、実力が伴わない出世は
リスクしかないと言えるでしょう。
さて、何をもって辛いと感じるかは
結局は各々の心の持ちようによるものだと思います。
出世できない、つらい…④いざ出世した時の心構えについて

冒頭で触れた出世のパターンにも関係しますが、
どのような形式であれ、よほどのことがない限り、出世を断ることは考えにくいでしょう。
そんな嬉しい気持ちの人も、
背水の陣だと思っている人も、最終的にはやるべきことは同じです。
・会社の利益を上げる
→売上を増加させる
→原価を削減する
・人材を育成する
・部署の方向性を決定する
この三つを常に念頭に置いて業務を進めなければなりません。
ここで、経験と知識が豊富で順調に出世した人であれば、
しっかりとやるべきことを見極めることができるでしょう。
しかし、ただの取り巻きで出世した場合、
そのやるべきことを理解できずに苦しむことになるでしょう。
恐らく自己中心的な性格を持つ人は、
部下に業務を依頼する際に、
命令口調になってしまうことが避けられないでしょう。
その結果、部下から愛想を尽かされることはもちろん、
人材育成もできなくなります。
基本的に、業務はチームで進める
プロジェクトがほとんどだと思います。
したがって、知識や経験が不足している人は、
「人を動かす」ことが最大の役割であることを理解できないまま進んでしまうのです。
人材を活用するノウハウが
自分の中に確立されていない人は、
結局、責任から逃げ続けることになるでしょう。
出世できない、つらい…まとめ
出世する人は優れているのでしょうか?それとも狡猾なのでしょうか?
その答えは、どちらも正解だと考えます。
出世したことを目の当たりにした人が、
最終的に判断することが重要です。
著しく業績が低迷している部署を立て直すために、
火中の栗を拾う役割を果たす人は、
誰が見ても「偉い!」と思われることでしょう。
その一方で、ただ権力を求めて出世し、
全く実績を上げられない状態で給与だけが上がっているような人は、
「ズル賢い」と見なされることになります。
したがって、どのようなレッテルを貼られても、
自分の果たすべき役割を地道に全うしている人は、
「つらい」とは感じないのではないかと思います。
「出世」というのは、自己犠牲の精神が試される、
一種の踏み絵のような儀式であるとも言えるでしょう。
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