【キャットフード、ピンからキリまで】
猫を飼う際に最も重要となる要素の一つは、その食事内容です。キャットフードには、1キロあたり数百円から数千円以上の高級品まで、実に多様な価格帯が存在します。ここでは、キャットフードを選ぶ際に注意すべき原材料や添加物について詳しく解説し、さらにコストパフォーマンスに優れたキャットフードのいくつかを紹介したいと思います。
【気を付けたい、激安キャットフードの材料】
1.肉類
まず初めに、激安キャットフードについての注意点を挙げます。これらは、その原材料の価格が安価であるため、その質が非常に低いことが多いです。激安キャットフードには、粗悪な肉類が含まれていることがあり、原産地を明記する義務がないため、品質の劣る素材がそのまま店頭に並んでしまうこともあります。さらに悪いケースでは、具体的な肉の種類が記載されていない「ミートミール」とだけ表示されることもあり、消費者はその内容に注意を払う必要があります。ちなみに、「ミートミール」とは動物の肉粉を指し、血液や毛、蹄、角、皮、糞尿、胃、及び第一胃を除いた哺乳動物の組織から作られています。その中には「4Dミート」と呼ばれる質の悪いものも含まれており、具体的には以下のようなものがあります。
- Dead 死亡した動物の肉
- Diseased 病気の動物の肉
- Dying 死にかけの動物の肉
- Disabled 障害のある動物の肉
これらの「4Dミート」は、人間が食べることができない最低限の肉とされており、廃棄されるべき肉が激安キャットフードに使用されることもあります。ただし、すべてのミールミートが劣悪なものというわけではなく、パッケージに「ミール」とだけ記載されている製品も存在するため、これらには十分な注意が必要です。
2.穀物
次に、「穀物」は激安キャットフードによく用いられる成分です。その理由は、穀物がコストを抑えつつキャットフードのボリュームを増加させることができるからです。猫は本来肉食動物であり、その消化器系は穀物を効果的に消化するためには適していません。例えば、雑食の犬は消化管が長いため穀物を消化することができますが、猫は消化管が短く、穀物を消化するのに時間がかかり、その結果として消化不良を引き起こすことがあります。また、猫は炭水化物を分解するための唾液中にアミラーゼを含んでいないため、穀物は猫にとってあまり好ましい食品とは言えないでしょう。穀物を大量に摂取することによって、アレルギーや消化不良に伴う嘔吐や下痢といった症状が現れることもあるため、注意が必要です。できるだけ「グレインフリー」、すなわち穀物不使用のキャットフードを選ぶことが望ましいでしょう。
3.人工添加物
キャットフードに人工添加物が多く含まれている場合は、特に注意が必要です。価格が安いということは、その原材料の質の悪さを隠すために多くの添加物が使用されている可能性が高いのです。主な添加物には、①酸化防止剤・保存料、②着色料、③香料などが含まれます。キャットフードの味や品質を保つために、酸化防止剤や保存料が豊富に使われますが、高級なキャットフードは新鮮な食材から作られているため、これらの添加物を使用せずに販売できることもあります。しかし、激安キャットフードに使用されている着色料の中には発がん性が認められているものもあり、猫は色を識別できないため、これらの着色料は人間の目を引くためだけに使われているに過ぎません。その結果、猫の健康が損なわれる危険性があるのです。激安キャットフードには猫にとって健康に悪影響を与える成分が多く含まれているため、穀物を多く含むものを継続的に摂取することで栄養不足やアレルギーを引き起こし、免疫力の低下に伴う病気にかかる可能性もあるため、十分な注意が必要です。
【コスパ最強のキャットフードベスト3】
ここでは、猫の安全性を考慮しつつ、コストパフォーマンスに優れたキャットフードについてご紹介します。
では、トップ3を挙げてみましょう。
1位ファーストチョイス
2位ピュリナワン
3位カークランドシグネチャー
以上の3つです。
1位のファーストチョイスは、1袋1.6キロあたり964円という非常に手頃な価格でありながら、合成着色料や合成香料を使用せず、自然由来の保存料のみが使われているため、安心して猫に与えることができるキャットフードです。主原料は白身魚と鶏肉であり、グレインフリーではないものの、コストパフォーマンスと安全性が両立した、愛猫にとって嬉しい選択肢となっています。
2位のピュリナワンは、2.2キロあたり1609円で、着色料と保存料が使用されていないという点が大きな特徴です。酸化防止剤としてはミックストコフェロールが使用されており、これはビタミンEと他の酸化防止剤を合成したものです。ナッツや緑黄色野菜から抽出されたビタミンを用いて、ペットフードの劣化を防ぐ工夫がされています。また、主原料はターキーであり、2018年からは穀物アレルギーに配慮したグレインフリーの製品も登場しており、低価格でありながら飼い主にとっても魅力的なキャットフードとなっています。
3位のカークランドシグネチャーは、アメリカで有名な「コストコ」が提供するキャットフードです。11.34キロ入りで4320円という大容量で、コストパフォーマンスの面でも非常に優れた一品です。主原料は鶏肉であり、穀物アレルギーの原因となる小麦やトウモロコシは使用されておらず、代わりに玄米と白米が使われています。ただし、大容量のため、食べきるまでに時間がかかり、傷んでしまうリスクもあるため、その点には注意が必要です。このキャットフードは特に多頭飼いの方におすすめです。
【まとめ】
飼い主が選ぶべきキャットフードに含まれるべき成分は、以下の3つです。
- 肉が第一の原料であること。
- グレインフリー(穀物を使用していないこと)。
- 添加物不使用であること。
これらのポイントを意識して選ぶことが重要です。
最後に、猫を飼うすべての方に激安キャットフードを選ぶことのデメリットについてお話ししました。高価なキャットフードには、それに見合った質の原材料が使用されることが多いですが、激安のものは猫の健康よりも人間の利益を優先しているような傾向が見受けられます。愛する猫が長生きするためにも、優れた成分が配合されたキャットフードを選ぶことを強くお勧めします。